日刊アルバムレビュー⑤White Music/XTC

音楽聴いてますか?

XTC – This Is Pop?

今日は、70年代末にリリースされニューウェイヴの火付け役となったXTCの1stアルバムを。

ロック音楽というものは50年代に定式化して以来、常に商業主義と反体制との間で揺れ動き続けてきた。70年代半ばごろにセックス・ピストルズを筆頭に英国で一大ムーヴメントとなったパンク・ロックは回帰的で攻撃性の強いロック音楽の形式を強烈に打ち出し、商業化してポップ・ミュージックの領域に腰を落ち着けた従来のロック音楽を駆逐した。

そんなパンク全盛の中で、イングランドの片田舎で誕生したバンドがXTCだ。彼らはパンクも、それ以前の時代遅れと規定されたロック音楽も区別せずに貪欲に融合、独自のポップセンスに基づいて彼らにしかできない音楽を作り上げた。ビートルズが産み出し、後にプログレッシブ・ロックが発展させたポップ音楽としてのロックと、パンクが展開してきた攻撃的なセンス、それにテクノ色の強いキーボードが融合したあまりに独特な音楽は、後に「ニューウェイヴ」と呼ばれる一大ムーヴメントの発端となるには充分な衝撃だった。

このWhite Musicというアルバムは、まさにニューウェイヴの扉を開いた金字塔的な一枚で、初期衝動そのままのアヴァンギャルドな演奏と、緻密に構成された英国流アレンジが共存した名盤だ。

特に、「俺たちってポップだろ?」と高らかに宣言する#3 This Is Pop?、ダブへの可能性にも接近した遊び心あふれるアレンジの#4 Do What You Do、ビートルズら先達へのリスペクトあふれる実に英国のロックらしい幸福感のある#5 Statue of Libertyの流れは凄まじいポップさに溢れており、彼らの持つセンスが遺憾なく発揮されている。

XTCが作り上げた新たなポップ音楽としてのロックは、ひとつのバンド音楽の正解として今なお強く意識されているように思える。それは、ギターサウンドやドラムの手法ということを差し置いても、「バンドの見せ方」というプロモーション上のロールモデルとして彼らがあまりに完成されていたからだ。

POLYSICSハヤシや、Base Ball Bear小出祐介が公言した影響などはあまりにあからさまとはいえ、現代で活動するバンドのほとんどが無意識的にXTCを筆頭としたニューウェイヴの影響下にあると考えれば、このアルバムを聴かずにはいられなくなってくるのではないか。

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